G♭とF#の違い

「私の音楽に対する勉強は、G♭とF#の違いを学んだことからはじまった」
デューク・エリントン

「おいおい、今さら何を寝ぼけたこと言ってるんだい?G♭とF#は同じ音に決まってるじゃないか!」

その通り。同じ音です。でも、それならなぜ2通りの読み方が存在するのでしょう?まったく同じ音なら、どちらか一つの読み方で統一したほうが合理的でしょ?

上のデューク・エリントンの言葉には多分にユーモアが含まれているので、字面だけを取ると「何を言ってるんだ?」になっちゃうんですが、実はこの問題、かなり複雑な問題なんです。

「ファの右隣の黒鍵を、どのような場合に『F#』と表記し、どのような場合に『G♭』と表記するのか」

F#とG♭のように、「名前は違うが同じ音」を「異名同音(enharmonic・エンハーモニック)」と言います。「同じ音ならどちらの表記を使おうが自由」と考えてしまうのですが、実はこれが違うのです。

これを、「スケールの考え方」と「音律の考え方」の2つのアプローチから考えていきます。(長くて面倒ですよ。覚悟しておいてください)

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