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相対音感を身につけよう  

「音感」という言葉を聞くと、まず思い出すのが「絶対音感」という言葉だと思います。

「絶対音感」とは、聴いた音が何の音か・・・ピアノの鍵盤で言うどの音にあたるかが、分かる能力のことを指します。

例えば、下の音は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」のうち、どの音ですか?

わかりましたか?これは「ミ」です。これがわかるのが「絶対音感」 です。

では、これはどうでしょう?

いかがですか?これは「ド」です。

最初の問題が当てられた人は少ないのではないかと思います。しかし、2問目が分かった人は、結構多いのではないでしょうか?

なぜ2問目はわかったのでしょう?

それは、1問目を聴いて、「これが『ミ』だ」という、「基準の音」がわかったからです。この「ミ」と比較した場合、2問目の「ド」は明 らかに低く、かつ、(感覚的に)長3度下だから「ド」だ、ということがわかるのです。

これが分かる能力を「相対音感」と言います。相対 音感を持つ人は、聴いている音の調を当てることはできませんが、例えばすべてをハ長調 に置き換えれば、メロディーやコードを「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」で表現することができます。

絶対音感を身につけるには、子供の頃(「5歳頃まで」という説もあります)の訓練が大切で、それを超えると、成長するにしたがって身に つけるのが難しくなると言われています。つまり、おそらく今、このページをお読みになっている大部分のみなさんにとって、これから絶対音感を身につけるの は、不可能ではないが相当難しい、ということになります(ちなみに、私も絶対音感なんて持っていません(^^;)

しかし、相対音感は訓練で身につけられます。そして、もし相対音感が身についたら、例えばテレビで流れてきた音楽にピンと来る部分が あったら、それがどんなコード進行なのか、どんなメロディーなのかをより具体的に分析し、自分のものにすることができるのです。また、例えばふといいフ レーズが思い浮かんだ時、メロディーなら携帯のボイスメモ機能等を使って鼻歌を録音しておくこともできるでしょうが、コード進行の場合はこのような記録の 方法は不可能です。しかし、相対音感が身についていれば、具体的なコードをメモしておいて、後で再現することができるのです。

インスピレーションは、湧く場所もタイミングも選びません。突然、素晴らしいアイデアが浮かんだとき、それを逃さないためにも、相対音 感を身につけることは大切です。ここからの章では、そんな相対音感を身につけるための訓練をしてみましょう。

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