作品と人格

曲を聴くと、その人の性格や生き方がわかります。

「人の温かみを大切にしてる人なんだな」とか「神経質そうな人だな」とか、「哲学みたいなものを持ってる人だな」とか「デリカシーのないヤツだな」とか。「わかったようなことを言ってるけど、この人、本当はわかってないな」なんてことまで見えたりします。恐ろしいことですよね(笑)。

これは確か村上春樹さんの言葉だったと思いますが「どんな小説を書くかということは、どう生きるかということと同じだ」と言っています。「新しい小説とは何かなんてことを考えるよりも、まずはいい小説を書くことを考えるべきだ」とも。

音楽を聴くと、その人の生き方、考え方がはっきりと分かります。作者の物の考え方や性格、ポリシー、生き方といったものが、作者自身は意識していないにも関わらず、如実に現れてしまうのです。

人のスタイルを真似しても、それがなんとなく板につかないのは、その考え方があなたにフィットしていないか、またはその生き方がまだあなたのものになっていないからです。

人の真似をすること自体は、決して悪いことではありません。普段の生活の中でも、共感できる考え方や行動を目にしたとき、それに影響されて自分の生き方が変わるということは当たり前にあることです。世間では、それを「成長」と呼ぶのです。でも、それが本当に自分のものになるまでには、時間と努力が必要なことも確かです。

「どんな音楽を書くかということは、どう生きるかということと同じ」です。あなたの曲には、あなたそのものが現れるのですから。

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