オープン・ボイシング、クローズ ド・ボイシング

話がややこしくなりすぎたので、少し戻します。読者が減っていくのが目に見えるようで怖い・・・。

正直、前章の「アッパー・ストラクチャー・トライアド」は、かなりジャズ的なアプローチです。人によっては、全然役に立たない知識かも しれません。

でも、今回のこの章は役に立ちますよ。きっと・・・多分・・・。

では始めましょう。まず、CM7を「右手で」弾いてください。

構成音はわかりますね?わからなかったら、ここを読 みましょう。

これはこれでキレイなんですが、なんかこう、「音が固まって」聞こえる感じがします。広がりがないんですね。

では、CM7の構成音のうち、「ミ」と「シ」はそのまま右手で、「ド」と「ソ」をオクターブ下に移動して左手で弾いてみましょう。

構成音は同じなのに、さっきよりゴージャスに、なんだか広がって聞こえませんか?メジャー7thの「シ」の音もより強調されて聴こえる ような気がします。

このように、あるコードの構成音をバラしてオクターブ上(または下)に展開するやり方を「オープン・ボイシング」といい ます。一方、最初に片手で弾いた、展開前のようなボイシングは「クローズド・ボイシング」といいます。

クローズド・ボイシングは弾きやすいのですが、コードの存在感が薄くなります。一方オープン・ボイシングはコードに広がりを出しやすく なります。例えばストリングスの音を使ってコードを鳴らすとき、ストリングスの音が固まってしまい広がりが出ないなと感じたら、オープン・ボイシングを試 してみるとよいでしょう。というのは、実際のオーケストラで第1バイオリンからコントラバスまでのストリングス・グループがコードを鳴らすような状況で は、オープン・ボイシングで鳴る場合がほとんどだからです。

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