コードの転回

クローズド・ボイシングを使っている時、あるコードを鳴らしたら、音が低すぎて(または高すぎて)使えない、ということが起きる場合が あります。

こんなときは、コードの構成音の順番を変えてみましょう。

例えばCのトライアド(ド・ミ・ソ)は、(ソ・ミ・ド)でもいいし(ミ・ソ・ド)でもいいわけです。こうすることにより、(ド・ミ・ ソ)ではコードの音が高すぎた場合でも、聴きやすい音でコードを鳴らすことができます。

このように、構成音の順番を変えることを「転回」といい、このテクニックはあらゆる局面で有効です。

厳密には、「和音の転回」とは、ベース音が、和音のルート音を含め たコードの構成音をとる形に変化する場合を指し、コード自体の構成音の順番が変わることを指すものではありません。しかしポップスではコードの構成音の順 番が変わることを指して「転回」と呼ぶことが多いようです。構成音の順番が変わることで「結果的に」最低音が変わるから、という理由だと思われます。

↑こんなところに「地獄ののぞき窓」が・・・。あぁ、怖い怖い・・・。

最初に述べたように、音色的に高すぎる/低すぎる場合ももちろんですが、曲のキーが変わってしまったとき、最初のキーではいい感じで 鳴っていたのに、キーが変わったことで音色的に高すぎる/低すぎる状態になってしまうことはよくあります。

こんなとき、コードの構成音のうち、高すぎる/低すぎる音をオクターブ下/上に移動させてみましょう。こうすることで、移調してもコー ドの響きを適切にコントロールすることができます。

また、「テンション・コードがヤらしく鳴りすぎる時」にも有効です。例えば9thの音をトップに持ってくると、「ホラホラ、9th、 9th!オシャレでしょ!!」みたいな感じに聴こえがちです。なんていうか、「ブランド名ばっかりやたらデカい」みたいな。そういうの、カッコ悪いで しょ?(いや、もちろん、そういう風に強調すべき局面もあるんですけどね)。そんな時、9thが構成音の真ん中あたりにくるように展開すると、さりげなく 9thが鳴って、とてもオシャレになります。

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