←前の章へ / 目次へ戻る / 次の章へ→
音について考えてみる
"良い音楽"や"好きな音楽"、"カッコいい音楽"・・・当たり前ですが、"音楽"と言う言葉には"音"という言葉がついてま わります。そして録音やミックスは実際に"音"を扱うことです。音楽製作を行って行くにあたり、不可欠かつ大きな要素である、"音"について、このあとい くつかのお話をしてゆくことで、あなたの音楽がよりよいものへ向上してゆくことを願います。

良い音とは?

問われると非常に難しい課題です。良い音の定義・基準なぞだれも決めていませんし、定義もなかなか難しい。でもなんとなく、"これっていい音だね"と言う ように「他の人と共感できる音の世界」があることも事実です。

そして、曲頭のたった1小節いや、2拍でも聴いただけで、私達はその曲が好みであるか否かを判別できてしまいます。楽曲と言う全体を認識する以前に、部分 的な音にたいして生理的に反応してしまうほど、「音そのものに力がある」こと見直してみましょう。

良い音楽は良い音がしますし、良い音であるからこそ良い音楽と受け入れられます。しかしながら、良い音を作ることは非常に難しいですし、ともすれば楽曲に 集中するあまり、音に対しては手薄になっていることが多く見受けられます。

これは近年の商業音楽にすら認められる状況です。数年前に非常に売れた某インディーズバンドの音楽。ここでバンド名をかけば大抵の方は思い出されるのでは ないかというバンド。確かにキャッチーな楽曲で面白かったのですが、CDを購入して聞いてみると音が最悪でした。結果、最近は話題にも上らないバンドに なってしまったようです。自分たちで録音・ミックスをしているというドキュメンタリーをMTVでみましたが、「こんな高級機材を使ってあんな程度の音な の!?」とあきれ返ったものです。

逆に楽曲的には、ある意味つまらないありきたりの曲でも、音が良ければ、もうそれだけで商業的に十分に通用する曲がたくさん存在することも事実です。ダン スミュージック、テクノなどは楽曲もさることながら、音で勝負できているもののほうが、多いと思われます。

ジャズやクラシックにしてもやはり前提として良い音であることを問われます。楽曲として認められる条件の大きな要素に音の良さがあることを重要視してくだ さい。

←前の章へ / 目次へ戻る / 次の章へ→
inserted by FC2 system