楽器間のバランス(レベル)

様々な楽器がトラック上に並んでいるとき、それぞれの楽器間のバランスを取るためには、まず基準になる楽器を決めましょう。僕の場合は、これはドラムが担うことが多いです。

まず、ドラムトラックのレベルを基準として設定し、ドラムのフェーダーはそれ以降、原則として触りません。ドラム内の個々の楽器のレベル調整(バスドラ、スネア、ハット、etc)はそれぞれ別のフェーダーで行い、最後にそれらをまとめて一つのグループにアサインしておくと後がラクです。

次にベースのレベルを決定します。ベースはドラムと一緒にグルーブを作り出す、とても大切な楽器です。ドラムの基準レベルに合わせ、飛び出しすぎず、引っ込みすぎず、適切なバランスになるようにベースのレベルを合わせます。

これでリズム隊のレベルがある程度決定したら、次に上モノ(ギター、キーボード、効果音、etc)を順次調整していきます。途中で基準になるドラムやベースの音が埋もれてしまうようなことになったら、ドラムのレベルを上げるのではなく、それ以外のレベルを下げる方向で考えましょう。そうしないと基準が変わってしまい、結局わけがわからなくなるばかりでなく、すべての楽器のレベルが上がり、ピーク飛びまくりという状態になってしまいます。

ここまで終わったら、最後にメロディーのレベルを決定します。ボーカルの場合はボーカル。インストものの場合はメロディーを弾いている楽器のレベルを決めます。メロディーはもちろん最も大切ですが、だからといって誰よりも前に出ているのが必ずいいわけでもありません。曲に溶け込みつつ、自然に前にでているように聞かせるレベルを探しましょう。

「音圧を上げる」のと「レベルを上げる」のとはまったく別です。迫力が欲しいなら、音量を上げることでは解決できません(このテクニックは後でお話します)。ここはあくまでも理性的に、全体のバランスを取っていきましょう。なお、音圧についての詳細は、ここでも触れます。

また、この後、各楽器に対してエフェクターをかけていくことによって、最初の状態のバランスが崩れることがあります・・・いや、必ず崩れます(^^;)。このときは、エフェクターのかけかたと、その結果崩れたバランスの再調整を施すことになります。したがって、この段階でのレベル調整はラフなもので構いません。フェーダーとエフェクターの間を行ったり来たり。ミキシングとはそういう作業です。

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