代理コード

これまでに何度か出てきた「代理コード」について、ここでまとめておきましょう。

「代理コード」とは、ある機能(トニック、ドミナント等)を果たすコードの「代わりに」使用することができるコードのことです。

原則として、あるコードの代理コードは「そのコードの三度上または下」にあります。したがって:

役割
代理コード
トニック(I)
IIIまたはVI
ドミナント(V)
IIIまたはVII
サブドミナント(IV)
IIまたはVI

となります。ここまでに出てきた「偽終止(Iの代理としてのVI)」や「ツー・ファイブ(IVの代理としてのII)」、この後の「転調」の「平行調」の章で出てくる「Iの代理としてのIII」などは、すべてこれの応用です。

コード進行がマンネリ化してきたら、これを参考に代理コードに飛んでみるというのも、試す価値はあるかもしれません。例えばカデンツは、 そのままだと簡単過ぎて役に立たない進行のように思えますが、例えば 「I - II(m) - V - VI(m)」 という進行は、単にカデンツ 「I - IV - V - I」 のパーツの一部を代理コードに変えたに過ぎず、複雑そうに見えますが元はカデンツなのです。そう考えると、「ひとまずカデンツを鳴らしてみて、その一部を 代理コードに差し替えてみる」という手法は、手当たり次第に鳴らしてみるより効率的だし、かなり有効そうに思えてくるでしょ?

 

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