PLAY
Self Liner Notes



2nd Album

PLAY(¥2,200)

2018/5/27 release


1. I Love You
今回のアルバムを作るにあたって、最初にできた曲。この曲がアルバムの方向性を決めたと言っても過言ではありません。
エレクトロニックではあるがダンスやテクノではなく、作品としてそれぞれの世界観を持っているもの。
今回のアルバムは、そういうコンセプトで進めました。

2. In-tension
全編に渡って、コードとベースが全音ズレたOnコードの関係になっています。
それはつまり、コードの最高音が13thのテンションということ。なので、このタイトルです。

3. Photograph
本当に具体的なイメージが何もない状態からできた曲。 タイトルがなぜPhotographなのかは、実のところ僕にもよくわかりませんが、
”Photographs” でも ”A Photograph” でもない ”Photograph” というタイトルには、
「何枚ものPhotographでも特定のPhotographでもない、具体的なイメージのない、
概念としてのPhotograph」という意味が込められています。

4. Pointillism
ポン、ポンと短くはねるような音だけを使ってできています。
持続音は一切使っておらず、すべてを点だけで表現した曲です。

5. Simulacrum
心象風景。後半に出てくる笛と太鼓の音は、
日本で育った日本人である僕の心象風景にはそういう音がフィットするからであり、
それ以上の民族的な意味はありません。いわゆる「シミュラクラ現象」とはあまり関係ありません。

6. Tokyo Boogie Woogie
3小節目から鳴り出すサンプリングのプリセット名が「Tokyo」だったのと、
昔、この手のスリーコードの曲を書いて友人のギタリストに聞かせたら、
「これはブルースっていうよりブギウギだな」と言われたのをなぜか思い出したので、このタイトルです。
途中で出てくる都市名は、(首都ではなく)世界の大都市を、MacのText to Speechで各国の声で読み上げたものです。

7. Connecting
偶然手に入れたフロッピーディスクを読み込むときの音と、モデムにつなぐときのノイズがあまりに魅力的だったので、
それをシーケンス上に並べて切り貼りしているうちにできた曲。
微妙にリズムをズラしながら編集だけで作るのは、いつもの作曲とは全然違う楽しさがありました。

8. Passpied
パスピエは、17-8世紀にパリで流行した、テンポの早い舞曲。
全体的な雰囲気がそれっぽかったので、大好きなドビュッシーへのオマージュも込めてこのタイトルにしました。

9. Waltz -for a holiday of home electronics-
家電たちの休日のためのワルツ。家族はみんな出かけて、家には誰もいなくなった昼下がり。
つかの間の休日となった家電製品たちータイマーやエアコンや、ミニゲーム機やパソコンが、
自分の出せる音を使って演奏を楽しんでいます。やがて冷蔵庫や洗濯機がドアを開け締めしたりモーターを動かしたりして、
低音パート担当として演奏に加わります。後半でメインメロディを担当するのは、この家のディーバ。
途中で古いラジオのおじいさんがチューニングの合わない音で一緒に歌いだしますが、
彼女はこのおじいさんが大好きなので、少しもイヤではありません。

10. Cinétique, Phonétique
動的に、音声的に。「音」と「声」が躍動的に飛び回る風景。

11. Sunny Day
今回のアルバムで一番のお気に入り曲。イメージとしては、歌っているのはホームロボットです。
いろんなことがあるけど、アナタがいてくれればボクはシアワセ。今日もいい天気になるよ。


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