ボーカロイド

初音ミク、巡音ルカ、がくっぽいど・・・。現在市場には、様々なボーカロイドパッケージが販売されています。

最初に初音ミクのサンプルサウンドを聴いたときは、衝撃的でした。「ついにここまで来たか!」という感じ。音声合成技術は非常に複雑で、簡単に手に入れられるものではありませんでした。普通のしゃべり言葉ではなく歌なので比較的容易に作れるとしても、こんなに安価に手にいれられるレベルまで発展したのかと、ただただ驚いたのを覚えています。

しかし、結局僕は、現在に到るまでボーカロイドソフトウェアを購入・使用していません。僕にとっては「あと一息!」なのです。

歌と言葉のスムースさがまだ足りない。表現力ももう一歩。当たり前と言えば当たり前なのですが、人間が歌ったほうが上手いに決まってる。これはボーカルに限らず、ストリングスでもギターでもあらゆる楽器に言えることなのですが、ボーカルの場合は楽曲のメイン中のメインであるだけに、表現力の足りなさが楽曲全体の足を大きく引っ張ってしまうのです。まして、人の声の表現力の幅は、楽器の表現力の幅とは比較にならないくらい大きいのです。これをパラメーターエディットだけで完全に再現することは、普通に考えても不可能でしょう(現時点では・・・ね)。

ボーカロイドがぴったりハマる楽曲もたくさんあります。テクノ・ハウス系サウンドには、むしろボーカロイドの方がハマるでしょう。ボーカロイドにジャズやクラシカルサウンドを歌わせるってこと自体に無理があるのです。使いどころを間違えたら・・・刺身をスイスアーミーナイフで切ったら・・・そりゃうまく行くはずないよ。

くれぐれも誤解のないように。僕はボーカロイドを否定しません。むしろ、どんどん発展していってくれればいいなと思っています。だって、なんだかんだいっても、やっぱりすごいもん、ボーカロイド。テクノロジーとして、すごく面白い。新しい技術が新しい文化を引き出し、牽引するのは大歓迎です。でも、(非常に残念ながら)今のところはまだ、僕はボーカロイドを使用しないと思います。将来的にテクノロジーが進歩して、人間の表現力に肉薄してきたら、その時に改めて考えることにします。そして、その可能性は十分にあると思っています。

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