<Day 12>
作詞という名の長い道のり


klix*の曲は、miyuが歌うことを前提で作ります。ということは、そこには詞が必要ということ。詞が先で曲を作ることはほとんどないので、今回の場合も「右斜め上を見ながら作った」メロディーに対して、詞をはめていかなければなりません。

これが・・・もう・・・ほんとに・・・ユウウツ・・・

これまでklix*用に20曲くらいは書いてますけど、この作詞という工程がいつも本当につらい。

klix*の詞のイメージは、10代から20代くらいの女の子。その詞をおっさんが書くわけだからそれだけでも十分イタイのに、いままで詞なんて書いたこともないのに、それなりに聞こえる詞を書かなきゃならないわけです。

もうおわかりかとは思いますが、作詞のテクニックなんて僕には語れません。毎回ボロボロになりながら書いてるんです。ほんとに。

ただ、それでも20曲程度は書いた中で、いくつか見えたことがないわけじゃないです。

「全体のイメージを最初に作る」 当然ながら、これが見えてくると、その枠の中でストーリーが作れます。というか、これがないと無理ですね。作曲中にある程度具体的なイメージがあった場合にはこれがラクなんですけど、そうじゃない場合もあって、そうなると作詞は本当に苦労します。

「ストーリーにこだわり過ぎない」 前の項と矛盾するみ たいですけど、あまり詳細にストーリーを作ると、世界が全然広がらないんですね。いつまでも同じことを言ってるだけになっちゃう。なので、多少つじつまが 合わなくても、言葉が出てきたらそれを採用しちゃいます。ただ、詞の中に一つか二つ、見落としがちな些細な出来事を詳細に描写したようなシーンがあると、 これはかなり強力な「詞のフック」になります。

「音感を大事にする」 音型から直感的に出てくる言葉をできるだけ使います。全体のストーリーが多少破綻しても、あまり気にしません。klix*って、詞で何かを伝えようというユニットでもないんで。それよりも、詞が音楽を邪魔することを避けたいです。

「それでも、ありきたりな表現は避けたい」 「心の翼を 広げて」とか「君の笑顔を守りたい」とか、それだけ組み合わせればJ-POPになっちゃうような表現は極力使いませんっ!・・・と決めたはいいんですけ ど、J-POPでこういう言葉が多用されるのは、やっぱりそれなりに理由があるんだなあと、この曲で実感したりしました(これについては、<Day 13>で話します)。

さらには、メロディーはもうできてます。字数を合わせなきゃならない。

最近僕がやってるのは、曲のコンセプトから浮かんだ単語をメモに羅列して、字数の合うところにはめこむっていう作業です。その前後をストーリーが破綻しないようにつないでいく、っていう感じ。

今回の場合は、「nano」から「マイクロスコープ(顕微鏡)」「プレパラート」「ニュートロン」「小さなこと」「気になる」「キミに聞いちゃう」「ねぇ ねぇ」みたいな言葉たち。連想ゲームみたいな感じですね。これを、字数の合うところにはめ込み、つないでいきます。どうしても字数が合わないところは、メ ロディーの方を変えます。

・・・作詞、もうちょっと続きます。

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