<Day 15>
ま とめてミックス!


ここからはPro Toolsの出番です。Reasonからエクスポートしたカラオケと、miyuが送ってくれたボーカルトラックをPro Toolsにインポートしてセッションを作ります。このとき、Reasonで設定していたBPMをPro Toolsにも同じように設定し、小節線で編集ができるようにしておきます。



本当なら、Pro ToolsからReWireを使ってReasonを同期させて動かしたいのですが、バージョンのミスマッチとか、僕のマシンの非力さとか、いろいろあって うまくいかないので、この方法を使ってます。この方法だと、Reason側に問題が見つかったときに簡単には対処できないのですが、カラオケが全部まと まって1トラックになっているので、操作がとても軽くなります。ReasonからすべてのパーツをバラしてPro Toolsに送ることもできるのですが、そこまではいいか、と(^^;)。

ただ、例えばブレイク部分とか、後で特別な効果をかけたいとか、ミックス上必要なパーツだけはバラして送ることがあります。今回の場合も、Aメロに時々は さまるSEは、そこまでにかかっているリバーブの残響音を残したくなかったので別に送り、Pro Tools側でブレイク部分だけカットしてかぶせる、みたいなことをしています。

miyuのボーカルもまとめてインポート。miyuは曲のパート(Aメロ、Bメロ、とか)ごとに3-4テイクずつ録ってくれていて、それをパーツごとに 「(同じファイル名)+(枝番)」という形で送ってくれるので、まず一つのファイルをボーカルトラックに置いたら、同じファイル名で枝番のついているもの をプレイリストに並べます。こうしておくことで、すべてのテイクからいい部分だけをつなぐという作業がとても簡単にできます。



こうして切り貼りができたら、ピッチ修正のために、つながったボーカルを全部まとめてMelodyneに取り込みます。まずは全部まとめて自動修正。これ をたたき台にして、必要な音を一音一音手で再修正します。昔はここでタイミングも自動修正させていたんですが、必要のないところまで修正しちゃっておかし くなることが多かったので。最近はタイミングについては自動修正していません。ほんの数ms違うだけでリズム感にものすごく大きな影響が出るので、タイミ ング修正はとても気を使います。一番根気のいる作業ですね。



一応miyuの名誉のために言っておきますけど、miyuは全然下手じゃないです。ってか、元声優さんなので、歌の勉強なんかしてません。だけど始めから かなり歌えてたし、これまでに20曲近く歌って、どんどん上手くなってきてます。それに何よりも、彼女の声質はklix*のテクノっぽいサウンドの中に、 存在感を持ってフィットしてくれます。それをさらに魅力的にするために、Melodyneを活用している、という感じです。

で、今回の場合は、Melodyneに送る前のオリジナルボーカルをコピーしてもう1トラック作り、ここにはMelodyneを足さずに置いておきます。 これはサビの部分で聴けるコーラス効果を狙ったもので、僕はよく使う手です。

後は、「ナニガミエルカナ?」のところ。これはMelodyneでピッチドリフトを0%にする、いわゆる「ケロケロ」な状態を作っておいて、DNA機能を 使って5度と8度にハーモナイズさせ、さらにそれをトラックを分けてパンする、という形にしています。



ここまで来たら、ボーカルに「channel strip」というPro Toolsのコンプを入れて、リバーブをかけて・・・という、「いつものヤツ」を入れて行き、最後にマスターフェーダーに「maxim」を入れます。そし てボーカルフェーダーやsendフェーダーに適宜オートメーションをつけたり、また差し換えたり、エフェクトを足したり引いたり、という・・・つまり、い わゆる「ミキシング」です(笑)。



これをミックスダウンしてファイル化(Pro Toolsでは「バウンス」といいます)。ファイル名は「nano_RC1」です。これをiPhoneに詰め込んで、明日、通勤中に聴いてみましょう!



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