<Day 14>
miyu 登場!


さぁ、詞も曲も出来ました。ここからmiyuの出番です。できた曲を自分で歌って、そのサンプルとカラオケ、歌詞をmiyuに送ります。

「自分で歌って」・・・?

はい、まず僕が歌います。詞とカラオケだけ送られても譜割がわかんないでしょ。そういうときは自分で歌ってみせるのが一番です。これがまぁ、恥ずかしい。 あの詞をおっさんが歌うのよ。キッツイよ、ほんとに。毎回倒れそうになるもんね、イタくて。誰が一番かわいそうといって、これを毎回聴かされるmiyuで すね。

しばらくして、miyuがカラオケをベースに歌ったテストファイルを送り返してくれます。これを聴いて、修正点があればコメントを返す、という感じです。

今回の場合、少しキーが低かったかも、という印象です。メロディーの最高音近くにまだ余裕がある感じ。miyuとはもう20曲近く一緒に曲を作っています から、彼女の音域は把握しているつもりです。メロディーが彼女の最高音・最低音からはみ出ないようにするのはもちろん、最高音が余裕を持っていい感じで出 るように、あらかじめキーを調整して送っています。それでも今回みたいに、やはりキーの微調整が必要なことは出てきます。今回の場合、+2くらいしてもい けそうです。少し余裕を見積もりすぎましたかね。

そこで、全体のキーを+2だけトランスポーズして、もう一度送ります。このとき、特にコードのバッキングやパッドなどは響きが苦しくなってしまうことがあ るので、適宜、コードを転回し ます。「全部選んで+2!」じゃダメなんですよ。



高くなりすぎたあたりを狙って・・・




その部分だけ1オクターブ下げる




こんな感じ。ただ、コードのトップノートでクリシェしてるような場合は、当然ながらこの方法じゃダメです。そのときは、音色を工夫するとか、クリシェの ラインだけを別の音で補強するとか、別の方法を考えなければなりません。

それから、当然のことながらドラムは一緒に+2しちゃダメです。楽器のアサインがくるっちゃいますから ね。なので、僕のReasonのシーケンストラックは、ドラムやサンプリング等をまとめて一つの塊にして上の方のトラックに置いておいて、キーを変えると きはそのトラックだけよけてトランスポーズしてます。



「キーを上げたので、もう一度お願い」

またしばらくして、新しいキーで歌ったボーカルが出来てきました。miyuはテストのときも含めて、毎回必ず3-4テイクずつ録って送ってくれます。いろ んな歌い方も試してくれていて、キャラが違うものも一緒に送ってくれます。元声優さんだからなんですかね。こういう大切なやり方を彼女は知っていて、面倒 だと思うんですが毎回きちんとやってくれます。とても助かってます。

さぁ、いよいよミックスです!


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