移動ド/固定ド

通常、音階を表すのはイタリア式の「ドレミファソラシド」ですね。

しかし、よく考えるとこれはハ長調の時にしか使えないのでは・・・?だって、「ド」は「ド」でしょ?ト長調なら「ソラシドレミフ#ァソ」だし、変ホ長調なら「ミ♭ファソラ♭シ♭ドレミ♭」でしょ?

「いや、でもそれはキーが変わっただけで、ト長調における『ソ』はハ長調における『ド』なわけで・・・大体、いちいち「ファ#」とか言ってられないっしょ」

そう。それ、正解なのです。

厳格なクラシックの世界では、調はとても重要なためあまり使われることはありませんが、ポピュラー音楽では「んなことどっちでもいいじゃん。ソでもミ♭でも『ド』の役割なんだからさ」っての、アリなんです。

で、例えばト長調のスケールを「ソラシドレミフ#ァソ」と表現するやり方を「固定ド」、調に関わらず、すべてを「ドレミファソラシド」と表現するやり方を「移動ド」と言います。つまり、「移動ド」においては、ト長調の「ソ」は「ド」になるわけですね。わかりやすいでしょ?

「固定ド」は調を確実に表現する時には便利ですし、ある意味、最も正しいと言えるでしょう。一方、「移動ド」は「どこが主音なのか」に注力したやり方であり、ソルフェージュやメロディーの音階表現においてはとてもわかりやすい方法と言えるでしょう。

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